従業員エンゲージメントを高める取組み|施策9選と企業の成功事例を解説

2026/08/04

従業員エンゲージメントを高める取組み|施策9選と企業の成功事例を解説

従業員エンゲージメントを高めることは、企業の持続的な成長に不可欠です。
この記事では、エンゲージメント向上の重要性から、明日から実践できる具体的な取り組み・施策までを網羅的に解説します。
さらに、実際に成果を上げている企業の成功事例も紹介し、自社でエンゲージメント向上を推進するためのヒントを提供します。

この記事でわかること
・ 人材定着や生産性向上につながるエンゲージメントの重要性
・ 企業のビジョン共有から制度改革まで網羅した具体的な施策
・ サーベイで現状を把握し、計画的に施策を成功させるための進め方
・ 自社の取り組みのヒントになる企業の成功事例

そもそも従業員エンゲージメントとは?

従業員エンゲージメントとは、単なる満足度や意欲とは異なる、企業と従業員の間の深い結びつきを示す概念です。
ここでは、その正確な定義と、類似する言葉との違いについて解説します。

企業と従業員の成長につながる信頼関係のこと

従業員エンゲージメントの定義とは、「企業と従業員が相互に影響しあい、共に必要な存在として絆を深めながら成長できる関係」のことです。
従業員が自社のビジョンや目標に共感し、「この企業に貢献したい」「この企業と共に成長したい」と自発的に思える状態を指します。
これは、企業が従業員の働きがいや成長を支援し、従業員がその期待に応えてパフォーマンスを発揮するという、双方向の信頼関係に基づいています。

従業員満足度やモチベーションとの違いを解説

従業員満足度は、給与や福利厚生、労働環境といった待遇面に対する従業員の満足感を示す指標です。
職場環境の改善により向上しますが、必ずしも業績への貢献意欲に直結するわけではありません。

一方、モチベーションは業務に対する意欲や動機を指し、目標達成やインセンティブによって一時的に高まることがあります。
これに対し、従業員エンゲージメントは、企業への愛着や貢献意欲といった、より長期的で自発的な関与を示す点が大きな違いです。

なぜ今、従業員エンゲージメントへの取組みが重要なのか

現代のビジネス環境において、従業員エンゲージメントへの取り組みは、企業の競争力を左右する重要な経営課題となっています。
その必要性や目的は、社会や働き方の変化と深く関連しています。

人材の流動化が進み、優秀な人材の定着が不可欠なため

終身雇用制度が過去のものとなり、転職がキャリアアップの一般的な選択肢となる中で、人材の流動化は加速しています。
特に優秀な人材ほど、より良い成長機会や労働環境を求めて移動する傾向があります。
企業にとって、時間とコストをかけて育成した人材の流出は大きな損失です。

高いエンゲージメントは、従業員が「この会社で働き続けたい」と感じる強い動機となり、離職率の低下と人材の定着に直結します。
新たな採用コストの抑制だけでなく、組織知の継承という観点からも重要性が増しています。

働き方の多様化でコミュニケーションの希薄化が進んでいるため

リモートワークやフレックスタイム制度の普及により、従業員の働き方は多様化し、時間や場所にとらわれない柔軟な勤務が可能になりました。
その一方で、従業員同士が顔を合わせる機会が減少し、コミュニケーション不足や組織としての一体感の希薄化が新たな課題となっています。

このような状況下で、従業員の孤独感を和らげ、組織への帰属意識や働きがいを維持するためには、意識的なエンゲージメント向上の取り組みが不可欠です。
企業理念の共有やオンラインでの交流促進などを通じて、連帯感を醸成する目的があります。

従業員エンゲージメントを高める取組みがもたらす4つのメリット

従業員エンゲージメントを高める取り組みは、単に職場環境を良くするだけでなく、企業経営に多岐にわたる具体的なメリットや効果をもたらします。
ここでは、代表的な4つのメリットを解説します。

優秀な人材の離職を防ぎ、定着率が向上する

エンゲージメント向上のメリットとして最も直接的なのが、離職率の低下と定着率の向上です。
自分の仕事に誇りを持ち、会社の将来に期待を抱いている従業員は、組織を離れる可能性が低くなります。
これにより、優秀な人材の流出を防ぎ、知識やスキルの流出を抑制できます。

また、新たな人材の採用や育成にかかるコストを削減できるため、経営の安定化にも寄与します。

社員の自発的な貢献意欲が高まり生産性が向上する

エンゲージメントが高い従業員は、与えられた業務をこなすだけでなく、自社の成功のために自発的に行動する傾向があります。
自身の仕事にやりがいを感じ、どうすればより良くなるかを主体的に考え、業務改善や新しいアイデアの創出に積極的に取り組みます。

このような貢献意欲と高いモチベーションは、個人のパフォーマンスを最大化し、組織全体の生産性向上に直結します。

顧客満足度が上がり、企業の業績アップにつながる

従業員のエンゲージメントは、顧客満足度の向上にも波及します。
自社の商品やサービスに愛情と誇りを持つ従業員は、顧客に対してより熱心で質の高い対応を提供します。
その結果、顧客のロイヤルティが高まり、リピート購入や良好な口コミにつながります。

従業員のポジティブな姿勢が顧客に伝わることで、企業のブランドイメージが向上し、長期的な業績アップに貢献するのです。

企業の評判が向上し、採用活動にも好影響を与える

エンゲージメントが高い企業では、従業員が自社の魅力を社外の友人や知人に積極的に語る「リファラル採用」が活発になる傾向があります。
従業員自身が「働きがいのある会社」として自社を評価し、推薦することで、企業の評判(リファラル評価)は自然と向上します。

このようなポジティブな口コミは、採用市場において強力なアピールとなり、優秀な人材を惹きつける要因となります。
結果として、採用コストを抑えつつ、企業文化にマッチした人材を獲得しやすくなります。

従業員エンゲージメントを高めるための具体的な取組み9選

従業員エンゲージメントを高める方法は多岐にわたりますが、ここでは特に効果的とされる具体的な取り組みや施策を9つ紹介します。
自社の状況に合わせて、これらの高める方法を組み合わせることが成功の鍵です。

【理念・ビジョン】企業の目指す方向性を共有し、共感を育む

企業の理念やビジョンを従業員と共有することは、エンゲージメントの土台を築く上で極めて重要です。
自社が社会に対してどのような価値を提供しようとしているのか、将来どのような姿を目指しているのかを明確に伝え、共感を育む必要があります。
全社会議や社内報などを通じて経営層から繰り返しメッセージを発信するだけでなく、日々の業務とビジョンがどう結びついているのかを現場レベルで理解できるような対話の機会を設けることが効果的です。

【職場環境】心理的安全性の高い風土を醸成する

心理的安全性とは、従業員が「この組織では、自分の意見を言ったり、挑戦して失敗したりしても大丈夫だ」と感じられる状態のことです。
このような環境では、従業員は萎縮することなく、新しいアイデアの提案や課題の指摘を活発に行えます。
結果として、イノベーションが生まれやすくなり、組織全体のパフォーマンスが向上します。

上司が部下の意見に耳を傾ける姿勢を示し、失敗を責めるのではなく、学びの機会として捉える文化を醸成することが、従業員のウェルビーイングにもつながります。

【コミュニケーション】部署や役職を超えた対話の機会を設ける

部署や役職の垣根を超えた円滑なコミュニケーションは、組織の一体感を醸成し、エンゲージメントを高めます。
定期的な1on1ミーティングで上司と部下の信頼関係を深めるだけでなく、他部署のメンバーと交流する社内イベントや、共通のテーマについて議論するワークショップなどを企画することが有効です。
こうした取り組みにより、従業員は会社全体の動きを理解し、自分の役割をより広い視野で捉えられるようになります。

【ワークライフバランス】多様な働き方を支援し、働きがいを高める

従業員一人ひとりのライフステージや価値観に合わせた多様な働き方を支援することは、働きがいを高める上で不可欠です。
リモートワークやフレックスタイム、時短勤務などの制度を導入し、従業員が仕事と私生活を両立しやすい環境を整える必要があります。
これにより、従業員は会社から大切にされていると感じ、ウェルビーイングが向上します。

結果として、仕事への集中力や満足感が高まり、エンゲージメントの向上につながります。

【評価制度】貢献度が正当に評価される透明性の高い制度を構築する

従業員の貢献や成果が公正に評価され、それが昇進や報酬に適切に反映される透明性の高い評価制度は、エンゲージメントの重要な要素です。
評価基準が明確で、評価プロセスが客観的であることにより、従業員は納得感を持って働くことができます。
また、評価結果をフィードバックする際には、良かった点だけでなく、今後の成長に向けた具体的なアドバイスを伝えることで、従業員の成長意欲を刺激し、組織への信頼感を高めます。

【キャリア支援】1on1ミーティングで個人の成長をサポートする

従業員が自社で長期的なキャリアを築けると感じることは、エンゲージメント向上の重要な要因です。
定期的な1on1ミーティングを通じて、上司が部下のキャリアプランや目標について話し合い、その実現に向けたサポートを行うことが求められます。
目の前の業務だけでなく、将来のキャリアパスを一緒に考える姿勢を示すことで、従業員は会社が自分の成長を真剣に考えてくれていると感じ、貢献意欲を高めます。

【スキルアップ】従業員の学びたい意欲を後押しする研修制度を設ける

従業員の成長意欲に応え、スキルアップを支援する教育制度の充実は、エンゲージメント向上に効果的です。
業務に必要な専門知識を学ぶ研修はもちろん、資格取得支援制度や、従業員が自主的に学びたい分野を選べるeラーニングなどを提供することが考えられます。
従業員が成長を実感できる機会を提供することで、自己効力感が高まり、仕事へのやりがいと会社への貢献意欲が増します。

【マネジメント】管理職の部下との関わり方を見直す研修を実施する

部下のエンゲージメントに最も大きな影響を与えるのは、直属の上司の存在です。
そのため、管理職のマネジメントスキルを向上させることは極めて重要です。
部下の話を丁寧に聞く「傾聴力」や、成長を促す「フィードバック」、適切な権限移譲など、部下の主体性を引き出すための教育研修を実施します。

これにより、管理職は部下のモチベーションを高め、チーム全体のエンゲージメントを向上させる役割を担うことができます。

【現状把握】エンゲージメントサーベイで組織課題を可視化する

効果的な施策を打つためには、まず組織の現状を正確に把握する必要があります。
エンゲージメントサーベイ(従業員意識調査)を定期的に実施し、エンゲージメントの状態を数値で可視化することが第一歩です。
調査結果を部署別や年代別などで分析することで、組織が抱える具体的な課題が明確になります。

データに基づいて課題の優先順位をつけ、的な射た改善策を講じることが、エンゲージメント向上の成功につながります。

JTBの組織開発サーベイ「WILL CANVAS」で組織課題を可視化し解決へ

JTBの組織開発・人財開発サーベイ「WILLCANVAS」は、従業員エンゲージメントの現状把握と課題解決をワンストップで支援するHR-Techサーベイです。
組織パフォーマンスに影響を与える「ビジョン」「風土」「労働環境」「各種制度」「人材活用」という5つの内的要因をサーベイによって解析し、組織の状態を的確に把握します。

ご要望に合わせた多様な調査の実施から、多面的な分析による課題の優先順位付け、豊富で細分化された行動施策のレコメンドまで、コンサルタントが実態に合わせた効果的な施策を提案し、組織課題の可視化から解決までをサポートします。

従業員エンゲージメント向上の取組みを成功させる3つのステップ

従業員エンゲージメント向上の取り組みは、思いつきで施策を実行するだけでは成功しません。
現状を正しく把握し、計画的に実行、そして効果を測定するという体系的なアプローチが不可欠です。

STEP1. サーベイで現状の課題を正確に把握する

最初のステップは、エンゲージメントサーベイを実施し、組織の現状を客観的なデータで把握することです。
従業員が何に満足し、何に課題を感じているのかを可視化します。
全社平均だけでなく、部署、役職、年代、性別といった属性ごとに分析することで、特にエンゲージメントが低い層や、その要因となっている具体的な課題を特定できます。

STEP2. 課題に基づいた具体的な施策を計画・実行する

サーベイによって明らかになった課題の中から、最も影響が大きく、改善効果が期待できるものに優先順位をつけます。
例えば、「上司とのコミュニケーション不足」が課題であれば1on1ミーティングの導入、「キャリアへの不安」が課題であればキャリア研修の実施など、課題に直結する具体的な施策を計画します。
施策の目的、目標、スケジュール、担当者を明確にし、全社で共有した上で実行に移します。

STEP3. 効果測定を行い、継続的に改善を繰り返す

施策を実行した後は、その効果を測定することが重要です。
一定期間が経過した後に再度エンゲージメントサーベイを実施し、施策実行前の数値と比較します。
エンゲージメントスコアが改善したか、課題となっていた項目に変化が見られたかを確認し、施策の有効性を評価します。

効果が見られない場合は、その原因を分析し、施策の内容を見直します。
このPDCAサイクルを継続的に回すことで、組織のエンゲージメントを着実に向上させていきます。

企業のエンゲージメント向上に成功した取組み事例

従業員エンゲージメント向上の取り組みは、企業ごとに最適な形が異なります。
ここでは、実際にエンゲージメント向上に成功した企業の事例を紹介し、具体的な施策とその効果を見ていきます。

【東日本旅客鉄道株式会社様】体験と対話を通じた管理者層の意識変革ワークショップ

東日本旅客鉄道株式会社様では、管理者層の「プレイングマネージャー化」により、部下の育成が手薄になるという課題を抱えていました。
そこで、管理者層を対象に、エンゲージメント向上を目的としたワークショップを実施。
この取り組みのユニークな点は、東日本大震災の被災地での越境学習を取り入れたことです。

座学だけでなく、現場での体験を通じて業務の社会的意義を再認識し、働く意義ややりがいについて深く考える機会としました。
研修では、「傾聴」や「フィードバック」といった対話スキルを学び、部下とのコミュニケーションの重要性を「自分ごと化」することで、管理者層の意識変革と行動変容を促すことに成功しました。
この例は、知識のインプットに留まらない体験型の研修が、エンゲージメント向上に効果的であることを示しています。

【西武ホールディングス様】組織サーベイで現状を可視化し、グループビジョンの浸透を促進

西武ホールディングス様では、グループビジョンの浸透度を測るための定点調査を長年実施してきました。
コロナ禍を機に、従来の紙媒体からWEBでの組織サーベイに切り替え、設問内容も現状に合わせて見直しました。
この調査で明らかになった課題の一つが、「新しいことへの挑戦」に対する上司や職場の理解不足でした。

この結果を受け、同社は管理職も巻き込んだ社内イベント「ほほえみFactory」を実施。
職場単位での参加を促し、一体感を醸成しました。
このように、調査で組織の「現在地」を正確に可視化し、その結果に基づいて具体的な施策に繋げることで、グループビジョンへの共感を深め、エンゲージメント向上を実現した好事例です。

従業員エンゲージメントの取組みに関するよくある質問

ここでは、従業員エンゲージメントの取り組みを進める上で、担当者から多く寄せられる質問とその回答を紹介します。

従業員エンゲージメントを高める取組みは、何から始めるべきですか?

まず、エンゲージメントサーベイで組織の現状を正確に把握することから始めるのが最適です。
従業員エンゲージメントを高めるには、自社の強みや課題を客観的なデータで可視化することが不可欠です。
思い込みで施策を打つのではなく、データに基づいた課題設定が効果的な取り組みの第一歩となります。

エンゲージメントサーベイと従業員満足度調査はどう違うのですか?

両者は測定する対象が異なります。
従業員満足度調査は、給与や福利厚生、労働環境といった待遇面への「満足感」を測ります。

一方、エンゲージメントサーベイは、企業理念への共感や仕事への熱意、組織への「貢献意欲」といった、より能動的で双方向の関係性を測定する調査です。

中小企業でも効果的なエンゲージメント向上の取組みはありますか?

はい、中小企業でも効果的な取り組みは多数あります。
経営層と従業員の距離が近いという利点を活かし、社長が自ら企業のビジョンを語りかける機会を設けたり、全従業員と定期的に1on1ミーティングを実施したりするなど、直接的なコミュニケーションが特に効果を発揮します。

JTBがエンゲージメント向上の取組みで選ばれる理由

JTBが提供するエンゲージメント向上の取り組みは、多くの企業から選ばれています。
その背景には、長年の実績と独自のアプローチがあります。
なぜJTBが支持されるのか、その理由を解説します。

10業種2.5万人の調査結果から生まれた独自のメソッド

JTBのエンゲージメントメソッドは、10業種、2.5万人に及ぶ大規模な調査結果に基づいて構築されています。
この豊富なデータにより、日本の企業文化や労働環境の実態に即した精度の高い分析が可能です。
従業員と「会社」「経営層」「部門・上長」「同僚」という4つのレイヤーとの関係性を体系的に整理し、課題のボトルネックを purchase 的確に特定します。

研修からイベントまで幅広い解決策をワンストップで提案

JTBの強みは、課題の分析・可視化に留まらない点にあります。
特定された課題に対し、研修、ワークショップ、社内イベント、アワード、制作物といった多岐にわたる解決策を組み合わせ、最適なプログラムをワンストップで提案します。
企業の課題や文化に合わせたオーダーメイドの施策を実行することで、実効性の高いエンゲージメント向上を実現します。

組織サーベイで課題を可視化し、最適な施策を導き出す

独自の組織サーベイ「WILLCANVAS」をはじめとするツールを用いて、組織のエンゲージメント状態をデータで正確に可視化します。
感覚的な組織運営から脱却し、データに基づいた根拠のある課題設定を可能にします。

この客観的な分析結果をもとに、最も効果的な施策を導き出し、計画的な組織改善を支援します。

まとめ

従業員エンゲージメントを高める取り組みは、人材の定着、生産性の向上、そして企業の持続的成長を実現するための重要な経営戦略です。
効果的な施策を実行するためには、まずエンゲージメントサーベイで自社の現状と課題を正確に把握し、データに基づいた計画を立てることが不可欠です。

本記事で紹介した具体的な施策や企業の成功事例を参考に、自社に合った取り組みを検討し、従業員と企業が共に成長できる組織を目指してください。

エンゲージメントを高め
自走型組織に変革するためのサーベイ活用とは

「従業員エンゲージメント」は、企業と従業員が相互に成長し、従業員が自発的に貢献したいと思える状態を指します。高いエンゲージメントは、定着率向上、モチベーション向上、アイデア創出、業績向上に繋がります。本資料ではサーベイを活用した組織開発のポイントを解説します。

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