成功する周年事業は目的が明確。 主な施策や準備を進める際のポイント
2026/05/07
周年事業周年事業は企業が区切りのよい節目を迎えた年に、社員や取引先に対してこれまでの感謝や今後のビジョンを伝え、企業としてのステップアップを図る施策です。働き方改革やグローバル化などによって、多様な価値観を持った社員がひとつの企業に在籍している現在社会において、周年事業は企業全体の一体感を生み出せる貴重な施策として注目が集まっています。
しかし、周年事業は頻繁に行う施策ではないため、社内にノウハウが溜まっていない企業も多く、周年事業の進め方に悩んでいる担当者もいるでしょう。そこで今回は、周年事業を成功させるために、代表的な手法や進め方に加え、事例も添えて解説します。
この記事でわかること
・社内と社外、対象者ごとに異なる目的の立て方
・目的達成のために有効な施策の種類と選び方
・成功の鍵を握る準備から実行までの具体的な進め方
・担当者の負担を軽減し、計画を成功させるためのポイント
周年事業の目的は対象が「社内」か「社外」によって大きく変わる
周年事業は企業の重要な節目を記念して行うものではありますが、長い準備期間や予算を割くほど価値のある施策なのでしょうか。「企業の誕生日会」としてお祝いするだけに終わってしまう例もありますが、周年事業は綿密に計画を練れば、企業の成長を推進させられるほど大きな影響力を持つ施策なのです。
まずは、周年事業を実施する主な目的をご紹介します。
【社内】社員のモチベーションを上げ、企業のターニングポイントとして活用する
現在の日本は、大企業ですら業績不振に陥る時代です。経営が難しい時代において、周年事業を実施できるほど企業を安定させることは決して簡単ではありません。経営者の手腕はもちろん、現場で事業に貢献している社員がいるからこそ、企業は存続できます。そのため、周年事業は、企業に関わるすべてのステークホルダーに対しての「慰労」を目的とするケースが多いです。
しかし企業にとって、全社員が一堂に会する貴重な機会はほとんどないため、周年事業は全社に向けてメッセージを発信し、モチベーション向上を図る絶好の機会です。節目を迎えられた功績を振り返りながら、企業の未来像を発信することで、企業としての一体感を生み出せるでしょう。
【社外】取引先との関係性を強固にする
周年事業は、社内だけに向けて行われる施策ではありません。企業が存続するためには、社外の「取引先」が絶対に欠かせない存在です。社外向けの周年記念パーティを開催すれば、取引先に日頃の感謝を伝えられるだけではなく、これまでに培ってきた実績をアピールしたり、今後の取り組みをPRできたりするなど、新たなビジネスチャンスとしても活用できます。
このように周年事業は、「社内向け」か「社外向け」かによって目的が大きく変わります。周年事業の準備に取り掛かる前に、施策を通じてどのような目的を定めるのか、整理しておくとよいでしょう。周年事業の目的を、「社内向け」と「社外向け」に分けてまとめた表を以下に掲載していますので、参考にしてみてください。
社内向けの目的社員へ感謝を伝える社史や理念への理解促進今後のビジョンや戦略の共有社員同士のコミュニケーション活性化社員のモチベーション向上 など社外向けの目的クライアントに感謝を伝え、関係を強化する周年記念限定の商品を販売することで売上につなげる企業イメージの刷新(名称やロゴの変更など)新商品や新規事業についての発表やプロモーション など
目的に応じて使い分ける。数多くある周年事業の手法
周年事業の手法は、周年記念パーティを開催するだけではなく、ほかにも多くの施策があります。予め決められている予算や期間のなかで目的を達成するためには、さまざまな手法の特徴や違いを理解し、効果的な方法を選択する必要があります。
次は、代表的な周年事業の手法を「社内向け」と「社外向け」に分け、それぞれの特徴や実施する際のポイントなどをご紹介します。具体的な手法に迷っているときは、参考にしてみてください。
【社内向け】社内コミュニケーションの活性化を促す「社員旅行」
社員旅行では、非日常のなかで感動の瞬間を共有したり、長時間一緒に過ごしたりすることで、社内コミュニケーションの活性化を促します。
一方、全社をあげて旅行する場合、参加者一人ひとりに大きな費用がかかるため、大勢の社員を抱える企業では高額な予算が必要になります。周年事業の代表的な手法であるパーティと比較すると、企業からのメッセージを真剣に伝える状況も限られるため、「社員の慰労」だけで終わってしまわないように注意しましょう。
【社内向け】企業への帰属意識を高める「社内報の作成」
周年事業の一環として、「社史」の制作や、「社内報」で自社の歴史を取り上げることも定番の手法です。現在、価値観の多様化や終身雇用の風潮が薄れてきたことから転職者が増え、人材の流動性が高くなっています。在籍期間の短い社員に企業の歴史を伝えられる社史や社内報は、帰属意識を高める効果が見込めるでしょう。
また冊子であれば手元に残せるため、「周年記念品」として活用することも可能です。
【社内向け】感謝を形にする「記念品やギフトの配布」
従業員へ日頃の感謝を形として伝える手段として、周年記念品やギフトの配布も効果的な施策です。周年ロゴをあしらったオリジナルグッズやカタログギフトなど、実用的なアイテムを選ぶことで、従業員の満足度を高めるメリットがあります。
近年では、受け取る側が自由に選べるギフト形式を採用する企業も増えており、従業員の年齢層やライフスタイルの多様化にも対応しやすくなっています。全社イベントと組み合わせて配布することで、より効果的に一体感を醸成できるでしょう。
【社外向け】企業イメージの向上につながる「社会貢献活動」
周年事業の一環として、CSR活動やボランティアなどの社会貢献活動を実施する例もあります。寄付や地域の環境保全活動に全社で取り組むことで、社会への感謝を示すとともに、企業としての信頼感やブランドイメージを大きく高める効果が期待できます。
また、従業員が主体的に参加できるプログラムを企画すれば、普段は関わりの少ない部署間のコミュニケーションを促すきっかけにもなり、社内の一体感づくりと社外へのPRを両立させることができます。
【社外向け】企業の利益に直結しやすい「キャンペーン」
社外向けの手法のなかでも、企業の利益に直結しやすいのが「周年キャンペーン」でしょう。10周年といった節目の年において、企業は注目を浴びやすく、自社をPRしやすい期間です。セールをはじめとした販売促進をかけたり、これからのビジョンを広く発信してイメージアップを図ったりするなど、さまざまな効果が期待できます。
【社内・社外向け】経営に中長期で活用できる「特設サイト」
近年、スマートフォンやインターネットの普及によって、ウェブ上で企業メッセージを発信する重要性が高まっています。周年事業においても、周年記念の特設サイトを開設し、企業の歴史やこれからのビジョンを社内外に向けて発信するケースが増えています。
一度目を通して終わってしまいやすい冊子とは異なり、ウェブサイトではキャンペーンへの申込みにつなげたり、サイトの読者データを分析したりできるなど、経営に中長期で活用できる点が強みです。
【社内・社外向け】アレンジ力の高さとメッセージ力の強さ「記念パーティ」
記念パーティが周年事業の定番手法である理由は、「アレンジ力の高さ」と「メッセージ力の強さ」です。記念パーティは、規模や予算、社内向けか社外向けかなど、目的にあわせて会場や内容を柔軟にアレンジできます。また、全社員や取引先の関係者が大勢集まる機会はほとんどないからこそ、企業が発信したいメッセージを効率的に発信できる絶好の機会なのです。
これまでに挙げた周年事業手法は、あくまでも一例です。周年ロゴやキャラクターを作成したり、新しい理念やビジョンを策定したりするなど、ほかにも多くの手法があります。どんな目的を達成したいのかによって、こうした手法を使い分けましょう。
周年事業の進め方と成功させるためのポイント
さきほどご紹介したように、多くの手法が効果的なものを選定するためには、目的を明確に定める必要があります。そのため、周年事業に取り掛かる日の目安は、遅くとも実施日から1年前、丁寧に準備したければ2年前からがおすすめです。
次は、周年事業の準備を進める際に行うべき作業を、「準備フェーズ」「設計フェーズ」「実行フェーズ」の3つに分けてご紹介し、施策を成功させるために意識しておくべきポイントもあわせて解説します。
【準備フェーズ】「体制構築」と「目的の明確化」が重要
取り組む内容
・予算の決定・体制構築・目的の明確化・社内向けか社外向けか対象を決める周年事業を実施する際は、この準備フェーズが最重要です。このフェーズでどれだけ施策の内容を具体化できるかで成否が分かれます。準備フェーズのなかでも、特に重要な作業が「体制構築」と「目的の明確化」です。
ほとんどの企業では、周年事業は日常的に実施する施策ではないため、社内に専用のチームがある企業は稀でしょう。専門チームがない場合、周年事業の実施が決まってからチームを組成する必要があるため、チームメンバーは既存業務との兼務になる可能性もあります。それでも周年事業のチームメンバーには、施策にかかわる意義を感じてもらえるように、チームの管理者は明確な役割分担やメッセージングが重要です。
目的を明確化する際は、「〇〇人の関係者に参加してもらう」や「周年事業が終わった後、社員の行動を〇〇に変える」など、目的を達成したか判断できる状態になるまで具体化しましょう。目的が明確になると、チームメンバーの目線も揃いやすくなるばかりでなく、コンセプト設計やコンテンツ企画も進めやすくなります。
【設計フェーズ】目的をコンセプトや企画に落とし込む
取り組む内容
・コンセプトの立案と決定・各施策、コンテンツの企画・実行委員やイベント業者の選定設計フェーズでは、これまでにご紹介した各施策の特徴や、すでに決められている予算をふまえ、目的を達成するために最適なコンセプトや企画を考えます。コンセプトを考える際のポイントは、「これまでの歴史」「今度どうなりたいか」「現状はどうか」の過去・未来・現在を言語化し、整理することです。「過去・未来・現在」の順番で考えることで、目的達成を阻む課題を捉えやすくなるため、「今、発信するべきメッセージ」をコンセプトに落とし込みやすくなります。
もし、チーム内にコンセプト設計や企画立案のノウハウがない場合、周年事業を専門とする事業者に相談する方法もあります。社外に依頼するため費用はかさみますが、豊富な知見からプロジェクトをスムーズに進行してくれるばかりでなく、ワンランク上の会場確保や質の高い企画立案もサポートしてくれるでしょう。
【実行フェーズ】コンセプトを事前に浸透させておく
取り組む内容
・社内外への告知・各企画の実行各施策や企画の詳細が固まったあと、周年事業のコンセプトを社内に浸透させ、当日への期待感を作ることも、チームメンバーの重要な仕事です。事前に周年事業のコンセプトを社内に浸透させておくことで、社員は周年事業を「自分ごと化」でき、目的を達成しやすくなります。
社内の掲示板やSNSといったコミュニケーションツールに加え、会議などを通じて、周年事業について積極的に発信していきましょう。
【重要ポイント】担当者の運用負担を考慮して設計する
周年事業の準備は通常の業務と並行して進めることが多いため、実行にあたるプロジェクトメンバーや担当者の運用負担を十分に考慮することが非常に重要です。限られた期間や予算のなかで無理な計画を立てると、直前になって準備が追いつかなくなる恐れがあります。
イベント運営におけるオペレーションや、記念品の手配・配送の手間などを事前にしっかりと整理しておきましょう。負担が大きいと予想される場合は、必要に応じて外部の専門家からの支援を活用することも視野に入れて設計をすすめるのが成功の秘訣です。
【社内向けと社外向け】周年事業の事例
これまで、周年事業の手法や進め方を中心に、施策を成功させるためのポイントを解説してきました。最後に、こうしたポイントを踏まえた上で、周年事業を実施した事例をご紹介します。
【社内向け】アパレルメーカーによる創業50周年記念社員大会
某アパレルメーカーは、5,000人を超えるグループ会社の全社員をホールに集め、表彰式や今後に向けてのプレゼンテーション、懇親会などを行いました。イベントのなかで理念やビジョンを体現している社員やチームを表彰することで、企業として評価する取り組みや成績を可視化でき、現場のモチベーション向上が見込めます。
参考:『企業イベント事例』JTBコミュニケーションデザイン
【社外向け】健康器具メーカーによる創業50周年記念式典
次は、某健康器具メーカーが、ホテルのホールを貸し切って取引先の関係者やVIPを450名ほど招待し、レセプションパーティーを開催した事例です。取引先へ感謝を伝えて、より強固な関係性を構築することに加え、今後のビジョン共有も行いました。企業がこれから目指すビジョンを関係者に発信することで、今後の取引拡大に向けたPR効果が見込めます。
参考:『健康器具メーカー 創業50周年記念式典』JTBコミュニケーションデザイン
周年事業を支援する当社のサービス紹介
当社では、ワーク・従業員・カスタマーの3つの領域において、エンゲージメント課題を解決するサービスを提供しています。企業の未来をデザインするため、周年事業を単なるお祝いにとどめず、風土改革や組織活性化に向けた戦略的なプログラムとしてトータルでプロデュースします。
当社のエンゲージメント向上支援サービスについては「エンゲージメント向上を支援するHRコンサルティング」で詳しく紹介しています。
当社が手がけたエンゲージメント課題の解決事例紹介
当社が提供するソリューションを通じて、企業のエンゲージメント課題をどのように解決し、どのような効果をもたらしたのか、具体的な取り組み事例をご紹介します。周年事業の活用や、企業統合時のビジョン浸透など、さまざまな場面でのサポート実績があります。
当社の課題解決の取り組み事例については「課題解決の取り組み例」で詳しく紹介しています。
周年事業を未来への投資として活用した事例
周年を迎えるにあたり、何から始めればよいかわからないという企業様に対し、周年事業を「未来への投資」と位置付けた3か年プログラムを展開した事例です。1年目のプレ周年イヤーで現状調査やコンセプトを策定し、2年目にビジョンを考えるワークショップや周年イベントを実施しました。
さらに、3年目のポスト周年イヤーではキックオフイベントやモチベーション研修を継続して行いました。この包括的な施策により、社員の共感を呼びエンゲージメントが向上しただけでなく、社内にイノベーションを生み出すきっかけとなっています。
統合による異なる企業文化の一体化を実現した事例
M&Aにより、異なるビジョンや社風を一つにまとめることが難しいという課題を抱える企業様の事例です。解決に向け、経営層へのインタビューや両社選抜メンバーによるプロジェクトチームを発足し、クレドの作成やアンバサダーの選出を行いました。
さらに、階層別の理解促進セミナーや研修を実施した結果、理念の認知や共感度が大きく向上しました。社員同士のコミュニケーションが促進され、接客や社風に調和が生まれるなど、見事に組織の一体化と行動変容を実現しています。
周年事業のパートナーとして当社が選ばれる3つの理由
周年事業をはじめとする組織開発やエンゲージメント向上の取り組みにおいて、多くの企業様から当社がパートナーとして選ばれているのには理由があります。単一の施策にとどまらない、本質的な課題解決を実現する当社の3つの強みをご紹介します。
当社の強みについては「私達の強み」で詳しく紹介しています。
オリジナルメソッドを活用した課題解決
当社では、長年の事業を通じて培ってきた気づきをもとに、独自の3つのメソッド(モチベーションメソッド、従業員エンゲージメントメソッド、ホスピタリティメソッド)を開発しています。
これらのメソッドを活用することで、個人と組織の可能性を最大限に引き出し、目的に応じた的確なアプローチが可能となります。専門的な知見に基づいた確かなノウハウが、組織の本質的な課題解決を強力に後押しします。
課題の把握から解決策の実行までを一気通貫でサポート
当社は、組織の状態を可視化するサーベイや調査から、実際のイベント企画・運営、さらには研修やツールの制作まで、エンゲージメント向上に必要な豊富なソリューションをワンストップで提供しています。
単なる課題の抽出にとどまらず、解決に向けた具体的な施策の実行までを一気通貫で支援できるため、組織内に負担をかけることなく、一貫性のある効果的なプロジェクトの推進が可能です。
コミュニケーションのノウハウを活かした感動の演出
企業イベントや周年事業において、参加者の心に残る体験を提供することは非常に重要です。当社はコミュニケーションデザインのプロフェッショナルとして、長年培ってきたノウハウを活用し、心に響く感動的な演出をプロデュースします。
表彰式やキックオフミーティングなどのハレの舞台において、称賛と感謝を最高の形で演出し、組織全体の結束力とモチベーションを劇的に高めるお手伝いをいたします。
入念に準備すれば周年事業は必ず成功する
周年事業は企業にとって大きな意味を持つ施策です。その推進役である担当者の責任は、決して軽いものではないでしょう。しかし、目的の明確化やコンセプトの浸透、適切な手法の選択など、準備を入念に行えば、周年事業は必ず成功させられます。チームメンバーや、時には社外の専門家と力を合わせながら、周年事業を成功に導き、会社の成長を実現しましょう。
未来を制する周年事業
ウィズコロナの時代でも、多くの企業が周年という節目を「チャンス」として認識し、目的意識を持って周年事業に臨むことで、会社を発展へと導いています。JCDが実施した社内イベントに関する調査結果をもとに、企業に起こった変化を解説。周年事業における「インナー」「アウター」「地域」それぞれに向けた「効果」を中心に、ポイントを紐解きます。
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